2012年9月3日月曜日

じわじわくる 『コピー技法』 ・・・その8 【 フォーミュラ 】

普通の文章の構造を読むために
【図1】 クリックすると大きくなります
コピーライターは、フォーミュラで文章を考えるのが基本です。“フォーミュラ” とは、いわゆる “型” のことで、・・まぁ “タイプ” とは違うんだけど、取りあえずパターンのようなものだと思ってもらえば間違いない。

・・トートツだが、葦原教授である。右の【図1】を見てくれたまえ。『構造』 が見えるだろうか?

コピーライティングでいう “フォーミュラ” とは、たとえば 『 起・承・転・結 』 なんて言葉を聞いたことがある人なら、まぁ、そんなものだと考えてもらえば間違いないだろうし、それも知らないようであれば 『英語の5文型』 を思い出してもらえればOK。 ・・なに? 余計わからない?

大丈夫。5文型は僕も苦手だ。

どうしてもピンとこないようなら、文章には 最初はこれで、次はこれ” 的な、順番があるらしい” ってことだけ覚えてもらえばよろしいかと。それでもわからないようなら・・ この記事はパス。


コピー学習者とか、すこしでもコピーをかじった人なら 『 QUEST 』 とか 『 AIDA 』 を知っているはずで、もし「何それ?」っていうのであれば、“あなたはコピーを知りませんよ” と、僕なら即答。
そういいたくなるほど、基本中の基本として “フォーミュラ(=型)” っていうのはコピーの中心事項であり、特に長文コピーを書く人であれば、知らなきゃマズイってほどの項目なわけです。

ところがところが、僕の方に質問をくれる人で 「コピーはひととおり大丈夫です」 っていう人に限って、なぜか会話が成立しないんだな。これが。・・それは一体ナゼなのか?
そういった “コピーをテーマにした会話” が成り立たない理由をつらつら考えてみると、どうも、原因はフォーミュラの理解不足、ないし 無理解にあるみたいなのね。そこで、今日はフォーミュラのごく簡単な解説をしようと思った次第。


・・さて、あらためて、上の 【図1】 をクリックして読んでみてください。「これ、図じゃなくて文章でしょ?」 なんてご意見は聞きませんので、とにかく読む。
すると、何やらメールの文面のような、そうでないような文章が書かれている。「いや、これってメールじゃなくてワードでしょ?」 って文句言いたい人は、このページをさっさと閉じてください。アクセスありがとう! では、さようなら。

【図1】 を読んで、すぐに 文章の “意味上の区切り” がわかる人だけ、ここから下を読んでほしい。

【図1】に、意味上の区切りを図示しました。・・なんて親切なんでしょう♪
【図2】 クリックすると拡大します
って、そうか。これからコピーを学ぼうという人がいるのも忘れちゃいけない。失礼失礼・・。“意味上の区切り” がわからない人だけ 【図2】 をクリックしてよし。許可してあげよう。(今日はあくまでも “教授ふう” ) すると、どうだろう?区切りが見えましたかな?

先ほど書いた “会話が成立しない人” っていうのは、この区切りが見えない痛い人たちのことなので、【図2】 を見ちゃった人は、無事、話ができる人の仲間入り。めでたしめでたし。

話を続けます。

文章の “区切りが見える人” たち、中でもコピーライターっていう職業人は、文章をわかりやすく 『人体』 にたとえて、最初の部分をヘッダー(頭)といい、一番最後の部分をフッター(足)といいます。
で、ヘッダーとフッターの間にある部分を、ひとくくりにして ボディー(体)と呼ぶわけ。
だから、この例文でいうと “ボディーがふたつのパーツで出来ている” と理解する。ここまでOK?

内容だけを考えてみると、この文章は 「ノートを返却するタイミングは、いつがいいのか?」 ってことを聞いているだけ。・・だから、赤枠で囲まれた部分こそ 『メッセージのポイント』 であり、『いつがいいのか教えてほしい』 と、相手からの返信を期待している文章だということがわかるね。

もしも、コピーとして考えた場合、この文章は“弱い”と、一応考えられる。なぜなら、直接「お返事ください」って書いてないんだから、相手は連絡をくれるかもしれないし、くれないかもしれない。これじゃぁマズイ!確実に返事をもらうにはどう書くべえか?と工夫するわけ。

コピーライターという人種は、だから、この赤枠の部分をいかにうまく読者に伝えるか?読者に行動してもらえるか?だけを考えて文章を構成する人たちのことだと思ってもいいんですな。ちょっと強引だけど。ゴーイング・マイウェイだってばよ。


さらに、たとえれば “QUEST”フォーミュラの場合でいうなら、最後の “T” の部分が Transition(移行・変わり目) の意味で、「内容を伝えよう」「行動してもらおう」というメッセージを書く部分。“AIDA”ファーミュラの場合でも同様に、最後の “A” の箇所で Action(動作・行動) の意味そのまま 「行動してください!」って催促しちゃうわけなのね。

フォーミュラのその他の箇所は、いうなれば、この “相手の行動” を促すために、どういった意味内容を、どういう順番で書けばもっとも効率的なんだろうかとテストをくり返して、「こういう順番で文章書いたら伝わったよ♪」というだけのオマケ。補足。刺身のツマ。
こういったテストを何度も重ねながら、先輩ライターたちが苦心惨憺(くしんさんたん)して導き出した 、これぞ効果的な文章の “型” である!というのがフォーミュラの正体なのである。

だから、フォーミュラを使う場合には、ターゲット(読者・相手)のタイプや、伝えたいメッセージ(あるいはオファー)によって向き不向きがあることを理解しなければならない。
「QUESTが最強のフォーミュラなんだってよ」 とか、わりと短絡的に考えてるコピーライターって、カワイイとは思うんだけど、よくよく考えてみてほしい部分ではあるのよね。

たとえば、メッセージを送る相手が、彼氏(彼女)の場合だったら そもそも長い前置きが必要だろうか?とか、同じように彼氏(彼女)にメールするというシチュエーションであっても、付き合いはじめたばかりの関係であればどうだろうか?とか。・・ずいぶん表現は変わってくると思うわけなのであるのである。

魅力的なヘッダー(導入部)が必要なのは、コピーライターにとっての “常識”。否定なんかするわけない。・・だけど、目的を忘れちゃいけないねっていうのが、この記事でお伝えしたい “核心部分”。「何のために書くコピーなのか?」「読者は誰か?」 ここがブレてはならんのも “あたり前”。
空手の選手だって、“型の部” の競技と “実戦” の競技が分かれているじゃありませんか?
さらに、ひとくちに “実戦” といっても、場面はいろいろ。寸止めもあるし、フルコンタクトもあれば、総合格闘技の場合もあるだろうし、路上での護身という場合だって当然あり得る。 ・・いや、あるではないか。なかろうか?

今回の【図1】で例示した文章を、自分なりにいじってみて 「自分なら、最高の返信メールをすぐにもらう自信がある」 っていう文章パターンを、いくつか書き出してみてはいかがだろう。
問い合わせメールを頂ければ、いつでも喜んでアドバイスさせていただくつもりなのである。


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