2012年8月17日金曜日

インバウンドマーケティングの時代?

新しい情報が出てくるたびに振りまわされると・・
▲ 『インバウンド』 とは “入ってくる、内向きの” という意味。
“新しい用語” に弱い人が多いのはしょうがないけど、今回はちょっと参った。
「DRMなんて古いですよね!これからは、何といっても “インバウンドマーケティング” の時代ですからね♪」というメールを受けとっての素直な気持ち。

メールの送り主は、この別館ブログの新しい読者さんなので、すんごく気が引けるんだけど・・、本人の許可も頂いたので、ここにちょっとばかし “本音” を書いておくことにする。

最近、よく取り上げられるようになった 『インバウンドマーケティング』 というのは、単なる用語であって、とりたてて新しい概念ではないことをまず知っておいてほしい。・・まして、DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)と対立する手法では全然ないし、どちらが “良い” とか “悪い” とか、そういう性質の問題ではないわけなのよ。そもそもは。
というより、むしろプライベートな情報端末の普及のおかげで、DRMの有用性がますます高まっている証拠だと感じるわけで。いわば、企業側のニーズがあるからこそ 『インバウンドマーケティング』 を解説するコンサルタントが増加しているというふうに思うわけなのね。

強調しておきたいのは、もう、ずっと何年も前から、インバウンドのFAX営業もあれば、アウトバウンドのFAXもあった。そして、インバウンドの電話マーケティングもあったし、アウトバウンドの電話マーケティングも存在していたという事実。・・これ、とても重要。
だって、“インバウンド” とか “アウトバウンド” とかっていうのは、ただのベクトルの違いを表すだけの “コトバ” なんだから、当然といえば当然の話。・・『待ちの営業』 とか、『攻めの営業』 と言っても意味としては、だいたい同じと思ってもらっていい。

いわゆる、“専門家さん” の コマゴマとした反証は無視する。

“ 真・お宝キーワード ” のときにも少し書いたことなんだけど、市場(マーケット)の動向に重点を置いて、顧客の欲求にそったマーケティング設計をする立場を 『マーケットイン』 っていうのね。・・ざっくり言えば、“お客さまの顔色を伺いながら商売すること” がマーケットインだと考えてもいい。
また、その反対の意味(逆の立場)を “作り手の意思や考え方を優先する商売” 。つまり、生産者の立場から出発するという意味で “プロダクトアウト” って呼んだりもします。・・ま、ここでは詳しくは書きませんので、どうぞ ググって確認してみてください。

さっき、僕は “インバウンド” とか “アウトバウンド” とは、ただのベクトルの違い” って書いたけど、このベクトルの違い ( 実は “意識の変化” ) を取りあげて、いろんな人が 「これからは・・」 って話してるんだよね。

ベクトルとは、言うまでもないけど “方向性” のことで、“向き” とか “目標” と言ってもだいたい同じ。・・つまり、インバウンドマーケティングっていうのは、マーケットインのようにお客さんの顔色を伺うのではなく、企業自らがお客さんの中に居場所をつくって、自社のメッセージや商品に関心をもってもらいましょう。その上で、興味・関心をもってくれたお客さんに対しては、積極的に購買意欲を高める工夫をしていきましょう。ってことなんですな。

だから、企業が消費者一人ひとりにアプローチする際の考え方が、従来の “マス・マーケティング全盛の時代” とは大きく違ってきていることを象徴して 『 インバウンドマーケティング 』 と呼ばれるわけ。・・ただそれだけの話。

個人ビジネスを中心に考えるこのブログでは、DRMの手法をマーケティングの基本にしているけど、今や企業までが本気で 『 ワン・トゥ・ワン マーケティング 』 に取り組みはじめたことを、僕らは誇りに思っていいと思う。

新しげな “専門用語” に迷うなかれ。


→“顧客で分かる 『トラフィック』 と 『リスト』 の話” も読んでおく
→“これでOK!『消費者行動分析』 のキモ” に移動
→“コンテンツを理解し、ビジネス活用するための本” に移動

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