2012年7月17日火曜日

コピーと 『文字数』

コピーノウハウの大半は “紙媒体” でテストされたもの・・
▲コピーノウハウは紙媒体で培われた
技術がベースにあることをお忘れなく…
昨日のニコ生で、コピーと文字数についての私見をお伝えしたところ、これが案外好評っぽい。
「コピーライティングは、媒体それぞれの文字数制限がある中で、どの言葉を選ぶべきか?というシビアさがあって、そんなシビアさの中で、たくさんのコピーライターの手によって磨かれ洗練されてきたのかも知れませんよ。」といった僕の指摘に、参加者の半分くらい(?)の方は、最初はどうもしっくりこなかった感じ。

ウェブコピー(といっていいのかどうか知らないけれど)と紙媒体でのコピーの両者では、そもそも読んでほしい読者の置かれた環境からしてまったく違う。
ハガキでのDM(ダイレクトメール)を考えてみれば分りやすいと思うけど、ご存知のとおり、ハガキの大きさはタテ約15センチ、ヨコ約10センチ。・・これでは、書ける文章量が少なすぎる!とITネイティヴの若い衆ならきっと思うはず。昔なら「帯(おび)に短しタスキに長し」とでも表現したのだろうが、さしずめ今なら「ブログに短しメールに長し」といったところか。とにかく、絶妙のハンパな文字数しか書き込めない。書けない。スペースがない。

そんな、商業ライターであれば、ごく当然に感じている “与えられた文字数” との戦いだが、ネットビジネスをやりはじめて初めて “コピー” などというものを知った人たちには、どうもこの辺がピンと来ないらしい。・・ということを、数百人の人たちに指導してみてしみじみ感じた次第。
最初から文字数が限られた場所に書かねばならぬことを “あたりまえ” として書いていれば、当然、そこに使うべき単語をあれこれ考える。「不要な言葉は何か?もっと適切な表現はないか?」せめて伝えたいことの半分でもスペースに押し込めることが出来ればと、必死になって文章を削るところからコピーの修行がはじまった。・・あ、これは僕の場合だけど。実際、“削る” ことと “足す” ことを同時並行しながら、言葉と格闘してきたわけだ。

新規のコピー学習者を指導する際に、「こんなに短くしちゃって構わないんですか?」という言葉を受講者からよく聞く。というのも、提出された課題に対して、僕はほとんどの場合7割近く(多い時には9割を)削って返すから。それで、ちょっとばかりびっくり面食らわれるのだが、それでいいと思う。
昨日のニコ生でも「シンプルに書くということですか?」という質問があったけれど、これ、ちょこっと正解。・・うまく言えないのだけれど、気分的には「シンプルに仕上げる」といった感じの方が近いかな?とにかく、“言葉の密度” に意識をもってほしいと願うわけであります。
日本が生み出した “世界最短の文学” 俳句と短歌。かの俳人、歌人たちが彼らの心に浮かぶさまを文字に書き記したとき、そのわずかな文字に込められた “言葉の密度”というものを、日本人コピーライターたる者、せめて、その豊潤な世界に、少しでも関心をもって触れてほしいものだと、この項の最後に付け加えておきます。

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