2012年8月13日月曜日

じわじわくる 『コピー技法』 ・・・その5 【 優秀なコピー 】

競争なくして進歩はないが・・
▲競争がなければ進歩もない。しかし・・
今回の “ロンドンオリンピック” でも、数々の素晴らしいドラマが見られた。・・特に日本中を沸かせた “なでしこ” の活躍は、ワールドカップでの優勝シーンと合わせて、末永く語り継がれるはず。

オリンピックに興奮する僕らみんなに “共通” するものっていったい何だろう? 競争に明け暮れ、会社に疲れ、くたくたになってるサラリーマンでさえ、金メダルを手にした選手の笑顔を見て感動してるじゃない?
「ひょっとすると、人間には競争する遺伝子が埋め込まれているのかもしれないなぁ」 なんて思いながら閉会式を見ていた。

人間は “競争” が 心底好きな生きものなんだとつくづく思う。“競うこと” が好きだから、まわりのいろんなものと自分とを比較する。「となりの新車より、ウチの車の方がカッコイイ」 とか 「従兄弟の裕人くんは、年収1000万を超えたんですって」 とか何とか言いながら、泣いたり笑ったり 悔しがったり。
“他人” と “自分” を比較して、自分の優秀さにニヤリとしてみたり、その反対に 落ち込んだりと一喜一憂してるのが、きっと僕らなんだよね。

だけど、コピーの良し悪しを決めるのは 『 商品(サービス)が売れるか?売れないか?』 の一点のみ。それ以外の基準はどこにもない。どんな理屈を並べてみても、どこにも比較するものが存在しないという不思議な世界。

「上手な文章が書けた!」 とか、「コンテストで1位を取った!」 とか、そんなことは、コピーの優劣とは何の関係もないってことを “肝に銘じて” ほしいと思う。・・露骨な言い方になるけど、どんなにがんばって書いたセールスレターであっても、あるいは、数万人の読者が読んでるメルマガに、あなたが渾身(こんしん)の記事を書いたとしても、読者 ( あるいは “お客さま” ) は自分のことにしか興味がないんだから。

たとえ 「勉強になりました!」 みたいな感想を受けとったとしても同じ。

読者は 「自分にとってどうだったのか」 をあなたに伝えているだけの話で、コピーライターの技術や考えをホメて、あなたを優秀だ!なんて言ってるわけじゃないんですな。・・間違っても、“今の自分(読者自身)と比較して” どうこう言ってるわけではないことに “要注意” です。

そう考えると、最近 流行してるらしい 『○億売り上げたコピーライター』 ってコピーはすっごく変だって思いません?だって、商品(サービス)が売れる理由なんてコピーだけで決まるわけじゃないんだから。
商品開発者の情熱、顧客窓口担当者の親身なやり取り、他メディアが取り上げてくれた好意的な記事の影響などなど。モノが売れるには、いくつもの要因があって、決して “コピーが優れている” からって理由だけでヒット商品が生まれるもんじゃない。

僕が若いころ(・・今でも若いが)、○Rさんのキャンペーンで売り上げ210%増を記録したり、T○YO○Aさんとのお仕事でも○○億を1ヶ月で達成なんて経験ざらにある。・・だけど、こういった実績をひけらかして 「○億円を売り上げたコピーは僕が書きました!」 なんて、おこがましくて言えやしないわけ。

自分が優秀だと思い込んだコピーライターの文章が、どうにも “読者の共感を得られない理由” がこの辺にありそうだと僕は思ってるし、共感を得られないコピーしか書けないようでは、いずれ 売れない “どツボ” が待っている。・・ま、この辺の話は別として。


  1. 優秀なコピーとは売れるかどうか “だけ” で決まる
  2. 読者(お客さま)は “自分にとって” しか興味がない
  3. 共感を得るには 身近な “あるある” が大切


といった点を、今すぐメモメモ・・。

以前の記事で、“リサーチ(市場調査)” は、読者との “共通” を見つけるために絶対に必要な工程だと書いたけれど。もしも、リサーチをしなければ、そもそも、どんな人が何を望んでいるのか分からない。・・かといって、市場の声ばかり聞いていればこと足りるってわけでもないから面倒っちいのね。

だから、のびのびとした “ものの見方、考え方” が出来るって部分がポイントなわけ。

自由な発想がベースにあれば、そこではじめていろんな情報を体系的に捉えるヒントが得られる。ものごとを体系的に眺められるようになれば、情報に振りまわされることもなくなる。
そういうわけで、「俺の方がスゴイぜ」 とか 「本物を知ってるのは私の方ね」 なんて妙な先入観(=思い込み)で世の中を見るのは “ご法度だよ” とか “囚われちゃダメだよ” なんて口を酸っぱくして言うわけ。・・これって “マニュアル発想” とは正反対のやり方だからね。

てか、誰にとっても 『 思い込みは “百害あって一利なし” 』 でしょ?

まして、僕らにとって読者はライバルなんかじゃなくて、お客さまなんだもん。読者(=お客さま)がくれる笑顔のあとに “もれなく” 金メダルが待ってることを想像しながら、さまざまな価値観があることを学びとってください。
この辺の詳細については、ぜひ “じわじわくる『コピー技法・・・その2』” を再読の上、研究を深めていただければと思います。

仮説を立てて “リサーチ” することと、思い込みで “人を勘ぐる” のはまるで違う別次元のものの見方なんだということがわかれば、誰とも競うことなく、ライバルは自分のみだってことも分かるはず(?)。・・そうなれば、昨日の自分より、今日の自分は “一歩だけリードするぞ!っていう気持ち” で努力すれば、他人と争うことなく勝利を手にできる世界なんです。

コピーライターの仕事ってホントにすばらしいよね。


→“じわじわくる 『コピー技法』 ・・・その4” に戻る
→“じわじわくる 『コピー技法』 ・・・その6” に移動

0 件のコメント:

コメントを投稿

▼あなた自身の 「問題」 や 「テーマ」 についても、読者とシェアを。