▲コミュニケーションを邪魔するものは・・ |
『コミュニケーション心理』 を、分かりやすく解説したこの書籍は、産業心理学者だったニーレンバーグ博士の手によって、今から50年前に書かれた。
博士は、著名なノーベル賞生学者 “マーシャル・ニーレンバーグ氏” とは違う、まったくの別人なんだけど、もっと注目されてもいいんじゃないか。
なにせ、この本 『「話し方」の心理学』 は、もう半世紀も前に書かれたにも関わらず、まったく色あせないインスピレーションの宝庫。読むたびに 「なるほど!」 って思うことうけ合いで、こういった本を読むたびに 「あぁ、やっぱり人間って進歩してないなぁ~」と思うことしきり、なのである。
この記事では、コミュニケーションを阻害する5つの要因について、同書の冒頭部分から抜粋しつつ紹介をしてみます。
博士いわく。「人には意思疎通を阻もうとする5つの性質がそなわっている」
1.変わることへの抵抗
ものの考え方、感情、行動、どれも習慣と切り離すことはできない。そして、多くの人が 習慣という “クモの巣” にがんじがらめにされているのだという。つまり、「習慣ってなかなか変えられないよね?だから、人と話すのはムツカシイわけ。わかる?」ってことみたい。このタイプの人は(博士はタイプなんて言わないけど…)自分以外の人が、いろんな価値観をもってもの事を考え、自分とは違う幸せを感じることに気づかない。「おれがこうなんだから、あいつもそうなんだろう」みたいな感じ。もしも、理解できない人に出会ったら混乱してしまって、ほどなく思考停止。「なんだ?あいつは?」のナゾ・なぞ・謎・・
結局、人を信用することができないから、自分を変えようがない。
2.自分の考えを優先させ、相手の意見に耳を傾けない
これ、ちょっと考えると、1と似てるんだけど、ちょっとだけ高度。話をするということは、相手の注意をこちらに引こうとする綱引きのようなものである。聞き手は全神経をこちらの話に集中させているわけではない。相手には相手の関心事があり、そういった関心ごとにも意識を引っぱられている。
だから、こちらの話をちゃんと聞いてもらうためには、もっと関心をそそるようなことを言わなくてはならない。・・そのためのコツは、意図的に内容をくり返すようにすればよい、と博士はいう。
その上、聞き手(あなたの相手)が 話に注意を向けていない兆候(ちょうこう)として、次の3つをあげる。
<あなたの話が理解されていない兆候>
- 不必要な質問をしてくる ・・話したことを理解していない
- 見当違いの発言をする ・・話の流れを変えようとしている
- 解決済みのことを蒸し返す ・・自分の考えを主張するだけ
つまり、そもそも 意思疎通する気がないわけ。・・話すべき相手か否か?それが問題だ。
3.先入観をもった聞き手
ほとんどの人は、あきらめきれない願望をもっている。そして、それが強くなりすぎると、ものごとをゆがんだ目で解釈するようになる。・・こうなると、聞き手は “勝手に” 頭の中で言葉を補足し、話を自分に都合よく解釈する。こうなると、双方にとって有益な会話が成立する可能性はきわめて低い。
4.根拠のない推測
これ、実は日本の若い衆にもっとも多いパターン。たいていの人は、自分以外の人間など眼中にはない。少なくとも人の知識や意見にはさして注意を払っていない。
いま話しをしている相手が、何をどれほど知っているのか、憶測するのは禁物。相手には必ず、十分な情報を与えなくてはならないし、そうしなければ、ひょっとすると相手は中途ハンパな情報をもとに勝手な推測をしてしまう。
悲しいことに、人は先入観でものを見て・考えている生きものらしい。
5.根強い秘密主義
自分の考えや気持ちを人に知られまいと、厚いカーテンを閉ざしてしまう人も多い。見方を変えれば、自分自身の感情や考えを否定してしまう人だ。・・彼らは、自分と同じようなことを考えたり感じたりする人のことを嫌う。また、誰かに自分の本音を知られたら、嫌われたり拒絶されたりするのではないかと怖れている。こういう人は、すこしでも自分を見せたら危険だと思い込み、身の安全のためにあくまでも隠そうとする傾向が強い。
残念ながら、口数が少なくなり、コミュニケーション上の不利・損失がはかり知れないタイプだ。
以上、“コミュニケーションを阻害する5つのパターン” についてカンタンに書きだしてみたけど、書籍では上の5項目について、詳しく20ページを費やして解説されています。興味があれば、問答無用で一読をオススメしたい。 ・・まさに、コピーライター必読の名著です。
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