2012年9月5日水曜日

ソーシャル化とともに進む 『TICASモデル』 の消費指向

コミュニケーションの形態は機器の進化とともに変化する
▲“情報の共有” は昔から存在していた・・
“インバウンドマーケティングの時代?” で、僕は “マス・マーケティングの時代” と現代では、 消費者一人ひとりにアプローチする際の考え方が違うと指摘し、また、別の箇所で 『消費者行動モデル』 の中から “AIDA”や“AISAS” などについてサラッと話していた。

実際、この 『消費者行動モデル』 さえ理解できれば、マスメディア と ソーシャルメディアでは、人がどんなふうに商品に興味をもち、商品を買うのか?・・という “購買行動の違い” のあり様がよく分かる。
そこで、ネット上を探せばたくさん見つかるこのテーマについて、もう少しだけ詳しい解説をプラスしておこうと思う。

・・その方が、新しい読者さんに親切だもんね。


◆AIDMA

インターネットが普及するまでの長い間、人が “モノを買う” という行為は、どこも似たり寄ったり。まぁ、ほとんどの一般家庭では、同じようなパターンでお買い物をしていた。それが、たとえば “AIDA” とか “AIDMA” といわれる消費者行動モデル。

まず、広告などを通じて商品に注目Attention ) することで、興味がわく Interest )。そして、「欲しいな~」 という欲求Desire ) がおこって 「いつか買ってやるぞ!」 と、商品を覚えるMemory )。・・で、がんばってお金を貯めて、ついに、めでたく念願の商品を購入Action ) することになる。そう考えたのが “ AIDMAモデル ” だ。

このモデルでは、基本的に “より多くの人に注目してもらわなきゃいけない” ので、当然マスメディアの役割が大きい。たくさんの新聞や雑誌に掲載されればされるだけ、注目が集まり、商品が売れるというわけね。

ところが、インターネットの登場によって 状況がすこし変わる。


◆AISAS

企業が注目を集めるために広告宣伝 ( Action )  しても、なかなか興味をもってくれなくなった。・・気がつけば、市場には同じような商品があふれ返っているし、そうなると、他社製品との違いがさっぱり分からない。区別がつかない。「どれも同じじゃん?えい面倒くさい!これ買っちゃえ!」 てなもんで、売り手としては “ 差別化 ” がとても難しい。

いくら雑誌や新聞で “商品の特徴” をアピールしても、もはや モノを買うことが “当り前” になった時代では、メーカー側の一方的な情報には満足できない消費者がたくさんいる。
インターネットで “目的の情報” を探しているうちに、あちこちで気になる商品を発見Attention )。「なんだこれ?」と “興味しんしん”Interest )。そうなると、ネットで商品に関する情報を検索Search ) してみた後で、購入Action )するんだけど、その後も、今度はSNSやツイッターで使い心地を共有Share ) して価値を評価しあうことに。

こういった、いわゆる “AISAS” モデルでは PCやモバイルといった端末を利用しないユーザーの動向が、一端取捨(=除外)されていることがポイントになる。
つまり、実質的には 検索エンジンが登場した時からAISASの時代がはじまった、と考えていいわけね。


◆TICAS

2012年現在の 『 消費者行動モデル 』 はどうか?というと、実は “AISAS” よりもさらに複雑な様相を見せている。

「何か買いたいんだけどな~」という想いThought ) を分かちあう人たち(グループ・同好の士)が、共通の興味Interest ) をもって、ある人は検索し、ある人は別のソーシャルメディアを使ってリサーチしたりしながら、お互いに手に入った情報を比較Compare ) する。その後、実際に購入Action ) し さらに情報を共有 Share ) するという循環を生みながら、情報の共有化はますます進行中。・・といった具合。

メーカー側が一方的に伝えていた情報が、検索エンジンの時代から 徐々に消費者主導となり、いまや消費者の興味・関心を引けなくなった商品は、見向きもされない。と、そういった状況にあるわけです。
こうやってひと通りながめてみることで、なぜ “インバウンドマーケティング” が注目されているか? その理由がさらに明確になるんじゃないかと思います。



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